
虐待が起こる原因としては、親の問題、家庭内の状況、子どもの問題がそれぞれからみあい、いくつか要因が重なっているのではないかと最近は考えられています。
まず親の問題としては、子どもに虐待行為をする親には、親自身が子どもの頃に虐待を受けた事例が多いようです。子どもの頃に虐待を受けてもその後、虐待の影響などなくなったように無事に成長しますが、自分が子どもを育てることになったとき、子どもの頃に虐待された記憶が呼び戻され、今度は自分の子どもを虐待するメカニズムになっています。虐待は次の世代へ連鎖するといわれています。
また、家庭内の不安定な環境が子どもを虐待する状況にしている場合があります。親世代の夫婦の関係がうまくいっていない状態では、夫婦が協力して行う子育てに影響がでます。そのために起こる育児ストレスや親の経済的、社会的問題などで親自身のストレスが、子どもの虐待へと繋がることも少なくありません。
子どもの側にも虐待を受けやすい場合があります。たとえばよく泣く子や扱いにくく、いわゆる「手のかかる子、育てにくい子」は、親が子どもに対し否定的になってしまうことがあります。また子どもに障害や疾患があれば、さらに親自身にゆとりがなく、子どもを虐待することが多くなります。
現代の日本の核家族化や都市化は、祖父母や地域とのつながりが希薄にして夫婦を孤立させ、子育てを難しくしていると考えられています。そのような社会的背景も児童虐待が増加している大きな要因となっています。